こんにちは、旅行と食べることが好きなkaiです!
20世紀最大の巨匠の1人、アンリ・マティス。
マティスといえば、大胆な筆使いと自然に忠実な色彩が特徴のフォーヴィズム(野獣派)のリーダー的存在。
そんなマティスの「切り紙絵」に焦点を当てた展覧会「マティス 自由なフォルム」が東京で開催されています。
「切り紙絵」に焦点を当てた展覧会は日本初。
この記事ではマティス展のチケットやグッズ、混雑状況、展示作品と行った感想を共有していきます。
「マティス 自由なフォルム」は、フランスの画家アンリ・マティスの「切り紙絵」に焦点を当てた展覧会です。
「切り紙絵」とは、アシスタントに色を塗ってもらった塗紙をハサミで切り取り、それを紙に貼り付ける技法のことで、マティスが後半生にニースで編み出した表現方法です。
この「切り紙絵」によりマティスは自由自在に色と形を生み出し、キャリアの絶頂を迎えました。
本展覧会ではフランス・ニースにあるニース市マティス美術館の所蔵作品が約150点、特に「切り紙絵」に焦点を当てた展示がされており、「切り紙絵」の代表作である《ブルー・ヌードⅣ》や、日本初公開される大作《花と果実》は必見です。
展示作品の中には絵画だけでなく、彫刻や版画、テキスタイル等の作品や資料、またマティスが晩年に取り組んだヴァンスのロザリオ礼拝堂の建築から室内装飾、祭服についても紹介されています。
「マティス 自由なフォルム」に足を運べば、マティスが生涯残した至高の芸術の数々を堪能することができます!
開催場所:国立新美術館 企画展示室 2E
〒106-8558 東京都港区六本木7-22-2
開催期間:2024年2月14日(水)〜5月27日(月)
10:00-18:00(毎週金土は20:00まで、最終入場は閉館30分前まで)
「マティス 自由なフォルム」は事前予約が不要、混雑している場合のみ、入場まで待つことがあります。
チケットの購入方法は4種類あります。
- 国立新美術館チケット売り場
- ART PASS(オンラインチケット)
- 美術展ナビチケットアプリ(オンラインチケット)
- チケットぴあ、e+などの各種プレイガイド(コンビニ発行)
当日券の観覧料は以下のとおりです。
一般 | 2,200円 |
大学生 | 1,400円 |
高校生 | 1,000円 |
なお、中学生以下と障害者手帳をご持参の方(添付の方1名を含む)は無料です。
学生価格でチケットを購入する際は学生証の提示を求められることがあるので、学生の人は学生証を持っていきましょう
国立新美術館チケット売り場で当日券を購入すると《花と果実》が描かれたチケットがもらえます。
「マティス 自由なフォルム」では、女優の安藤さくらさんがアンバサダー兼音声ガイドを担当しています。
音声ガイドは当日貸し出しで650円、アプリ配信版「聴く美術」で700円です。
アプリ配信版は配信期間中(2024年2月14日〜5月27日)であれば何度でも視聴することができます。
展示室内には作品名や制作年、技法、所蔵は示されていますが、作品についての詳細な説明はありません。
1つ1つの作品について詳しく知りたい人は、音声ガイドを聴きながら展覧会を見てまわるのがいいと思います!
「マティス 自由なフォルム」は5つのセクションに分かれて作品が展示されています。
「セクション1 色彩の道」では、マティスが画家となったきっかけや影響を受けた物事を知ることができます。
法律事務所で働いていたマティスは盲腸炎で体調を崩して病院に入院した際に、母親から画材を渡されたことで絵を描き始めました。
画家を目指したマティスはパリの国立美術学校でギュスターヴ・モローから絵画を学びます。
その後トゥールーズやコルシカ島の気候との出会いにより解放された色彩を持つ絵画の多くが生まれました。
そんな画家初期の作品や周りから影響を受けて表現技法が変化していく作品を楽しむことができます。
「セクション2 アトリエ」では、マティスが作品を制作するために重要視していたアトリエの存在について知ることができます。
アトリエを転々として作品を制作していたマティスですが、彼にとってアトリエは創造の場所であると同時に絵画の主題の一つでもありました。
展示室内には実際にアトリエにあったオブジェと、そのオブジェを主題にした絵画が展示されています。
2つを見比べるとマティスの技術と色彩表現の高さに驚かされることでしょう。
「セクション3 舞台装置から大型装飾へ」では、劇の衣装や壁画などの絵画以外の作品が多く紹介されています。
1920年にパリのオペラ座で公開された舞台「ナイチンゲールの歌」の舞台装置と衣装、アメリカのバーンズ財団の装飾壁画など、画家でありながら大型装飾まで手がけるマティスの多才な仕事ぶりは圧巻です。
「セクション4 自由なフォルム」では、本展覧会の目玉である「切り紙絵」が展示されています。
一見、子どもがお遊戯で作った作品のようですが、「切り紙絵」の技法によって表現の幅が広がり、厳密な色面の構成が可能となりました。
「切り紙絵」は印刷物やテキスタイルにも応用しやすい技術であったため、文藝春秋などの印刷物や陶の習作も展示されています。
このセクション4から先は写真撮影が可能となります。
「セクション5 ヴァンスのロザリオ礼拝堂」では、マティスが晩年に携わったフランス・ニースのヴァンスのロザリオ礼拝堂の設計や装飾を見ることができます。
目玉はヴァンスのロザリオ礼拝堂の内部を再現した部屋。
ステンドグラスの窓があるヴァンスのロザリオ礼拝堂は時間帯によって内部の模様が変化します。
そのステンドグラスから透過する模様の変化を照明と映像によって体験できます。
写真撮影は可能ですが、動画撮影はできませんので気をつけましょう。
撮影可能エリアで撮影してきた展示作品の中から個人的に印象に残った作品をご紹介します。
「花と果実」 ニース、1952-1953年
「ブルー・ヌードⅣ」 ニース、1952年
「陶の習作 切り紙絵《アポロン》1953年の要素」 ニース、1952年
「大きな顔、仮面」 ニース、1951年
「黒色のカズラ(上祭服)のためのマケット(正面)」 1950-1952年
「顔」 1951年
「聖ドミニクス」 1949年頃
マティスと日本にはつながりがあり、今から約70年前の1951年3月、日本で初めてのマティス展が現在の東京国立博物館で開催されたそう。
本展では1951年の展覧会にまつわる資料も展示されていました。
当時の展覧会も大好評だったため、東京に続いて大阪、岡山も巡回し、日本の各界に大きな影響を与えたそうです。
当時はマティスではなくマチスと日本で呼ばれていたようで時代を感じます。
展覧会がはじまってから1ヶ月半ほど経った3月30日(土)の15:30に来場し、チケットの購入と展覧室の待ち時間は0分、待つことなく入場できました。
作品の前に人だかりはなく、スムーズに展示作品を見てまわることができました。
15:30~17:00までの1時間半でじっくりと鑑賞することができました。
今回はスムーズに鑑賞することができましたが、混雑している場合やゆっくりと鑑賞したい場合も考えると、1〜2時間ほどが所要時間の目安だと思います。
展示室の前半は撮影が禁止ですが、後半は写真撮影が可能です。
ただし、動画撮影やフラッシュ撮影、自撮り棒、三脚も使っての撮影はできませんので気をつけましょう。
展示室を回ると最後に「マティス 自由なフォルム」のグッズ売り場があります。
グッズ売り場には展覧会を見た人も見ない人も誰でも入れます。
ポストカード、クリアしおり、卓上カレンダー、メモ帳、ピンバッジ、マグカップ、Tシャツ、ボールペン、ミニ版画、ポーチ企画展の作品集などが販売してあります。
マティスはフランス・ニースにゆかりがあるということで、一部にはニースの食べ物や服が置いてあるとこともありました。
僕はマグネット、ポストカード、ポストカードケースを購入してきました。
マティスが絵画を描き始めた初期の作品から晩年の作品まで鑑賞することができるとても興味深い展覧会でした。
多くの画家や作家、芸術家と出会い、彼らの影響を受けて年代ごとに作品の特徴が変わっていくのが見ていてとても面白かったです。
年代が進むにつれて表現方法が変わっていくことから、マティスが生涯をかけて自分の理想的な美術表現を模索していたことが伝わってきました。
作品によって表現方法や色彩が全く異なるので、お気に入りの作品を見つけるのも楽しいと思います。
マティスに詳しい人もそうでない人も、誰もが楽しめる展覧会になっていると思います。
フランスの画家アンリ・マティスの「切り紙絵」に焦点を当てた展覧会「マティス 自由なフォルム」についてご紹介しました。
2023年に連続して2024年もマティス展が開催されるほど日本でも人気の画家です。
さまざまな表現の作品がたくさんあるので、美術に興味がある人もそうでない人も誰もが楽しめる展覧会になっています。
2024年5月27日(月)まで東京・六本木で開催されていますので、マティスの作品を鑑賞しに行きましょう!